あいつらとの旅

カフェの車のそばに立つ三人。

「兄貴、一緒に行きませんか?」


あいつが何気なく口にしたそのひと言を、私は聞き逃さず、すぐに飛びついた。

ただ言ってみただけだ、うっかりしていたと言われたが、もう遅かった。


男だけで旅に出るのは、高校生のとき以来だった。

ふだんは私が旅の計画を立て、みんなを引っ張っていくことが多い。でも今回はあいつらの旅に割り込んだのだから、文句を言わずについていくことにした。


木陰に並んで座り、笑う三人。

誰かのペースに合わせて動くのは、初めのうちこそ落ち着かなかったが、すぐに慣れた。おいしいというものを一緒に食べ、いいという場所へ一緒に行き、面白いということを一緒にすればよかった。

これなら、それほど迷惑にはなっていないだろうと思った。


けれど、ついていくのも、そう簡単なことばかりではなかった。

こいつはこれがおいしいと言い、あいつは歩こうと言い、また別のやつは違う場所へ行こうと言う。

あいつらは始終、ああだこうだと言い合っていた。

いつもの私なら、そこに加わって自分の意見も口にしただろう。

でも今回は、ただ眺めていることにした。

それも、なかなか面白かった。


旅先の石垣のそばに並ぶ三人。

旅のあいだ、カメラはたいてい私の手の中にあった。

笑った顔も、それぞれに違うポーズも、写真に残った。

写真を撮るのは好きだが、撮られるのはどうにも苦手だ。どうやら俳優やモデルに向く性格ではないらしい。

一人旅なら、何もかも自分の好きなように決められた。

でも、一緒に旅をするとそうはいかない。食べたいものも、行きたい場所も、人それぞれだった。

ときには自分の希望を引っ込め、相手に合わせなければならなかった。一緒に旅をして、そんな小さな気遣いが必要なのだと知った。


そうして旅から帰ると、アルバムはあいつらの写真でいっぱいになっていた。

肝心の私の写真は、あまりなかった。

写真をめくっていると、あいつらが言い合っていた姿が浮かんでくる。


あいつはうっかり誘ってしまったと言ったけれど、私は一緒に行ってよかった。


夕暮れ、明かりのともる街と運河。

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